稲葉尊治の言葉の展覧会で、一番多く目にする場面は「家族」の場面でした。

作品の展示や、稲葉尊治の「あなたを観て言葉を書きます」を行う言葉の展覧会。そこには、様々な人にご来場頂いてまいりました。ご来場頂き、また、「あなたを観て言葉を書きます」にご参加頂けるお客様の目的、モチベーションも様々でございます。 その中で、スタッフ一同、日に日にわかってきたことがあります。それは、「家族」という存在でした。時代背景などもあるのだろうと思いますが、「家族」という存在を、本能的に、意識的に、多くの人が大切だと感じ、考えているということです。 中には、「きっと、このお父さんは、普段、生活や仕事の中で、家族がどうのこうのだということを、語ったりしないのだろうな」と、こちらが思うような方もいらっしゃいます。それでも、そのお父さんが、照れながらなのか、ここぞの時なのか、家族を語り、未来を語る場面があります。それは、とても感動的で、人間味の溢れる場面です。「家族」の場面なのです。

家族だからわかる「何か」を言葉に、絵に、形にすることで、得られる喜び。

多くの方にご来場頂く事で、家族の存在、形、縁、関係性について、スタッフ一同、常々思う事があります。それは、もはや、親子の関係だけはないのが「家族」というものだということです。様々な事情から一緒に生活をしている家族・・・。わんちゃんやねこちゃんといった、昔はペットと呼ばれていたけれど、今はかけがえのない家族としての存在・・・。2世代、3世代といった歴史と共に暮らし、歴史を守らなければという責任と共に暮らす家族・・・。施設で暮らす子供達を引き取り、遠い遠い縁のあることだから・・・と、皆で語り暮らす家族・・・。家族の数だけ、家族の形があります。家族の歴史があり、これからも生まれます。もちろん、人生だから、良い事も嫌な事もあります。それでも、また明日、いつもの日々が続いていきます。そんな日々の中には、きっと、家族だからわかる、元気や安心の源泉があるのだろうと思います。他の人にとっては、どうってことのないこと、たわいもないことだとしても、「自分たち」にとっては、尊く、すばらしいことがあるのだろうと思います。

家族言葉は、ご家族それぞれの日常、歴史、思いがあるから生まれる作品です。

家族言葉は、言葉、絵による作品です。私達は、作品の制作を行います。この作品は、まさしく、ご家族それぞれの存在によって、出来上がるものだと考えています。あるご家族にとっては、「思い出の場面」を。あるご家族にとっては、「これからずっと大切にしていきたい思い」を。あるご家族にとっては、「忘れたくない、大切な気持ち」を・・・。ご家族それぞれによって、作品制作の意図、背景、思いがちがいます。それら一つ一つを、稲葉尊治はじめ、スタッフ一同受け取り、制作をさせて頂きます。はじめは、稲葉尊治の言葉だけではなく、わんちゃん、ねこちゃんを描いて頂く作家さんに登場していただきました。作家さんご本人も、真面目に、優しい心でわんちゃんのことを感じて生活をされている方です。私達の作品があるこ とで、また改めて、ご家族のみなさんが、新しい日々、未来へと生活をしていく力となりますように、精一杯制作をさせていただきます。